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三狐神 -其ノ壱-




昔々のお話です。




緑豊かな山間の村外れに、小さな祠がありました。

五穀豊穣を祈願するために祀られた場所。

太陽と月が入れ替わるまで、村人たちは足繁くそこに通い、
日々の実りに感謝していました。







祠の両脇には、二体で一対の狐の像がありました。

不思議なことに、いつからあるのか、誰が置いたのか、知る人はいません。
村人たちは手を合わせる帰りに、彼らの足元に作物を並べ、こう声をかけます。

『いつも、どうもありがとう』

そして翌日になると、像の前に並んだ供物は、必ずきれいになくなっているのでした。








やがて時は流れ、

流れ、

流れ。






時代は移り行き、
祠の存在を知る者は、もうどこにもいません。

苔むした参道は虫さえ通らず、
峠越えの旅人もみな、気味悪がって素通りしてゆきます。

豊かな田畑だった場所はすっかり森の一部となり、
かつてここを愛した人々の名を刻んだ石碑が、あちらこちらに寂しく佇んでいました。











--------------- 大地を潤し、風を運び、四季を巡らせた我らの恩恵


--------------- 嗚呼、過去の遺物に過ぎぬというのか





--------------- 悲しい、暗い、冷たい






--------------- 恨めしい









--------------- おのれ、人間め ・・・!!








きれいな満月の夜。

一陣の風が強く吹き、狐の鳴き声が響いたことは
だぁれも知りません。




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昔々の、お話です。






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by tbsuuuuu | 2016-11-30 17:01 | 写真   ◆WEB拍手◆